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Eva主宰・脚本作家の小林由木がつづるEvaの足跡ぁ 宗ゞ敵栃木 ―
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     Eva主宰・脚本作家の小林由木がつづるEvaの足跡ぁ
    ― 強敵栃木 ―

    前回までのあらすじ:絶交したはずの後藤からすげえ変な手紙をもらい、どういうわけか彼の立ち上げる劇団(それがこのEvaである)に参加することになってしまった!



    で、前回の続きではあるが、今回の「美しい世界」の脚本を共著した、栃木との話。

    さて、そんで私は後藤が立ち上げるという劇団の初回顔合わせに参加した。
    しかし、当時私は仕事が忙しく、参加できたのは夜の11:00ごろからで、主要なメンバーとはあまりゆっくり話はできなかった。
    また、後藤曰く「その日の顔合わせには中核メンバーの一人である男が来ない」ということで、また、改めて顔合わせをして、その人間と小林が会う機会を設けるとのことだった。

    後藤が私と出会うNHKに通う前に通っていた専門学校の同窓生の栃木というのがその男で、このEvaという劇団を最初に創った人間だった。

    ややこしい話になるが、この劇団Evaは後藤が立ち上げる前から、実はあった。後藤はそこに役者として参加していた。

    実質的に活動休止状態になっていたものを後藤が名前だけもらい、メンバーなども一新して始めたのが、この話で語っているところの「Evaの立上げ」である。

    その、もともとのEvaを立ち上げたのが栃木で、彼の脚本・演出作品を既に何本か上演していた。

    私も、出演していた後藤に誘われて、その「プレEva」の作品を観に行ったことがある。そのうち一度は打上げにも参加させてもらっていた。

    その時は、後藤と栃木が卒業した専門学校のスタジオで芝居が上演され、その後そのスタジオ内で打上げが行われた。

    脚本の執筆などはやっておらず役者一本だった当時の私は、役者特有の社交術で、さっそく作家兼演出家である栃木のもとに挨拶に行った。

    そこで、5〜10分ほど、作品について褒めちぎり、かつ単なる褒め殺しでなく、高学歴者でなければ不可能な自身の鋭い作品考察も交えて語った。

    栃木もまんざらでない様子で対応していた。次回作は私に役者としてお声がかかるのではないか、というくらいの印象を残した感で、栃木との談話を終えたのである。


    で話は元に戻って、その数年後の、Evaの顔合わせとして栃木に会う当日。

    喫茶店のようなところで後藤と栃木が話しているところに、私が登場した。「顔合わせ」的なありきたりな自己紹介をした後、私は「でも、一度お会いしていますよね」的なことを伝えた。

    ここで、驚くべきことが起こった。

    栃木は「(あなたのことなんて)知らない」と、のたまったのである。

    「いやいや、そんなことないでしょ、ほら…」てな具合に、私は前述した打上げで談話の様子を必死で話した。

    しかし、首を傾げ「いや、知らない」と言い張る栃木。

    かなり腹立たしいが、百歩譲って、覚えてないこと自体は良しとしよう。

    問題はそれを相手にはっきり言ってしまうことだ。

    だいたいこういう場合、心の中では(こんな人覚えてないなあ)と思いつつも「あれ? あ、そうだったそうだった、ごめんごめん」などと言いつつ、相手の話に適当に相槌を打つのが日本の素晴らしい伝統である。

    それを、絶対に相手にあわせず「知らぬ、存ぜぬ」と貫き通す。こんなヤツ会ったことない、と思った。

    「存在」とは、そこに介在した人間の実存認識によって成立する。

    幽霊などの確認の際必ず問題になるように、二人以上の人間がその現象を認識していないと、一般的に現実とは認められないのだ。

    あの打上げの時には、私と栃木は一対一で会話していた。私の知り合いが他にいなかったこともあり(後藤は近くにいなかった)、他の人も会話に入ってくることができずにいたのだ。

    私のあの時の10分間の存在は、栃木によってのみ現実化する。

    それを「知らない」の一点張りで通されるということは、私の人生の中の10分間の存在を、根こそぎ奪い去られるということなのである。

    これは完全な存在の否定だ。

    とんでもないことをするな、こいつは。

    これが、栃木の第一印象。

    今や一つの作品を共著するまでの関係を持つ二人は、こんな風にして始まったのだ。

    そして、××年後、私は栃木の娘にも存在否定をされるのだった…。それはこのブログで。

    今宵はここまでにしとうございます。

    今、人生初のお菓子作りをしている最中なんで。

     

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